「ポケットWi-Fi」って、なんか専用の謎機械だと思ってませんか。
海外旅行のレンタルWi-Fiとかで触ったことがある人は、「小さい機械を持ち歩くとネットが繋がる魔法の箱」くらいの理解の人も多いと思います。
実は楽天モバイルのポケットWi-Fi、中身はただのSIMカードです。
しかもそのSIM、抜いてスマホに挿すだけで普通の電話機になります。電話番号もそのまま生きています。
今日はこの話をします。
そもそもポケットWi-Fiって何なのか
ポケットWi-Fiは、正式には「モバイルWi-Fiルーター」と呼ばれる機械です。
役割は1つだけ。携帯電話の回線を受信して、それをWi-Fiとして周りの機器(PC・タブレット・別のスマホ)に配り直すことです。
スマホの「テザリング」機能と、やっていることは原理的にまったく同じです。
「じゃあスマホでテザリングすればいいじゃん」ってなりますよね。なります。
技術的には同じでも、実際に使うと違いが出るポイントが3つあります。
① バッテリーが別
テザリングはスマホ本体の電池を消費します。PCで動画を見ながら長時間テザリングすると、スマホの電池がゴリゴリ減ります。ポケットWi-Fiは自分のバッテリーで動くので、スマホの電池を減らしません。
② 同時に繋げる台数が多い
スマホのテザリングは、機種やOSの制限で同時接続数が絞られていることが多いです(5台前後が一般的)。ポケットWi-Fi専用機は10台以上に対応するモデルが多く、オフィスや家族での共有に向いています。
③ 自分のスマホを人に触らせずに済む
友人・同僚にWi-Fiだけ貸したいとき、テザリングだとスマホ自体を操作してもらう必要が出るケースがあります。ポケットWi-Fiなら、パスワードだけ教えて機械を渡せば済みます。旅行先で家族に配る、店舗でお客さんに貸す、といった用途はこっちが圧倒的にラクです。
逆に言うと、1人でスマホと一緒に使うだけなら、テザリングで十分なケースも多いです。ここは正直に言っておきます。
海外のレンタルWi-Fiは「クラウドSIM」が主流
ここで海外旅行用のレンタルWi-Fiの話をします。
空港でよく見る海外用ポケットWi-Fi、実は多くの機種に物理SIMが入っていません。
代わりに「クラウドSIM」という仕組みを使っています。
機械自体は空っぽで、通信するたびにインターネット経由でクラウドサーバーに接続。サーバー側が「今どこの国にいるか」を判定して、その国で一番電波が強い現地キャリアの回線情報をリアルタイムで割り当てる、という仕組みです。
これのメリットは、1台のレンタル機械で何十カ国も対応できること。SIMを事前に用意しなくていいので、レンタル業者としては在庫管理がめちゃ楽になります。
デメリットは、電話番号を持てないこと。クラウドSIMは「データ通信専用の一時的な借り物」なので、そもそも個人に紐づく電話番号という概念がありません。
楽天モバイルのポケットWi-Fiは真逆
楽天モバイルのポケットWi-Fi、これとは全然違う作りです。
普通のnanoSIMが、そのまま入っているだけです。スマホに挿すのとまったく同じ規格のSIMカードです。
しかも契約時に電話番号が発行されます。データ通信専用ではなく、楽天モバイルの通常プランの契約そのものです。
つまりこのSIM、ポケットWi-Fiから抜いて、対応するスマホに挿し替えれば、そのまま電話・SMSが使えるスマホの回線になります。
クラウドSIMが「機械にひもづいた、電話番号のない借り物の回線」なのに対して、楽天モバイルのSIMは「あなた個人にひもづいた、どの機械にも挿し替えられる回線」です。
主従関係が逆なんです。
これで何が変わるのか
具体的に何が便利になるか、整理します。
① 端末を自由に選び直せる
ポケットWi-Fiとして契約したはいいけど、あとでスマホでも使いたくなった。この場合、新しく契約し直す必要がありません。SIMを移すだけです。
② 機種変更・買い替えに強い
ポケットWi-Fiの機械が壊れても、電話番号やデータ契約自体は失われません。SIMさえ手元にあれば、別のSIMフリー端末に挿せば復活します。
③ 1つの契約で用途を変えられる
「普段はスマホのサブ機として持ちつつ、旅行のときだけポケットWi-Fiとして使う」みたいな運用も、SIMの入れ替えだけで実現できます。
デメリットもある
いいことばかりではありません。
海外での柔軟性は、クラウドSIM式にはかないません。
楽天モバイルのSIMは「楽天モバイルの回線」に固定されているので、海外の現地キャリアを自動選択してくれる機能はありません(海外ローミングの対象国・条件は別途確認が必要です)。
何十カ国を飛び回る出張が多い人にとっては、クラウドSIM式の機械の方が実用的な場面もあります。
「日本国内でずっと使う」か「海外を渡り歩く」かで、向いている方式が変わる、というのが正直なところです。
まとめ
- ポケットWi-Fiの正体は、携帯回線をWi-Fiに配り直すだけの機械(原理はテザリングと同じ)
- 海外レンタルWi-Fiの多くは物理SIMなしの「クラウドSIM」方式。電話番号は持てない
- 楽天モバイルのポケットWi-Fiは通常のnanoSIMそのまま。電話番号あり
- だから抜いてスマホに挿せば、普通の電話機として使える
- 海外を渡り歩く用途にはクラウドSIM式の方が向いている場面もある
「ポケットWi-Fi=専用の謎機械」というイメージ、少なくとも楽天モバイルの場合は当てはまりません。
中に入っているのは、あなたのスマホに挿さっているのとまったく同じ、ただのSIMカードです。
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